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飲食店“利益を生みだす”【会計のお話 Vol.5】

 
vol.5 【棚卸の重要性①】
~正確な粗利益をつかむには、正確な材料管理が必要不可欠~


卸しはなぜ必要?

 棚卸しとは、材料や外販用商品などの量や状態を調べ、在庫高を確認する作業のことです。ではなぜ、棚卸しが必要なのでしょうか。
 ひと言でいえば、正確な材料費をつかむためです。
 そして、あらかじめ注意しておきたいのは、棚卸しの責任者は料理長ではなく、店長であるということです。調理関係者の仕事なので料理長の仕事であると思われがちですが、責任は店長にあります。 
 なぜなら、売上高と利益の責任は料理長ではなく店長が負うからです。


飲食店の計数管理

さて、飲食店の計数管理は基本的に、次の等式から出発します。

利益=売上高―材料費―(人件費+諸経費+初期条件)=粗利益―材料費以外のすべての経費

飲食店の経営では、労働生産性や労働分配率が極めて重要な数値になりますが、これらの数値はすべて粗利益率から導き出されます。

粗利益=売上高―材料費


 まり、この数値が正確でなければ、労働生産性も労働分配率も正確に把握できないことになります。正確な粗利益をつかむには、正確な材料費を計上しなければなりません。

正確な材料費は、次の式で計算されます。

当月使用料(売上原価)=前月棚卸高+当月受入高(仕入高)―当月棚卸高

当月受入高は、納品伝票を集計すれば、分かります。問題は、厨房内の冷蔵庫や倉庫などにある在庫です。この在庫高は、棚卸しによってしか把握できないのです。小規模店などで、毎月の仕入れ金額をそのまま材料費としているケースが見受けられますが、これではまったく計数管理になっていません。毎月の材料費と仕入れ金額とは、まったく別の数字です。前月末の在庫量と当月末の在庫量とがまったく同じになることは、現実にはまずあり得ません。
 棚卸しが正確に実施されていない原因としては、次のことが考えられます。

・材料が多すぎる。
・材料のストック場所が一定していない
・材料の梱包単位がバラバラのため、数量を把握しにくい


 これでは、棚卸しをしようとしても時間がかかりすぎるため面倒になり、やらなくなってしまうのです。正確な棚卸しを実施するには、棚卸しをしやすいシステムを作っておくことが大切です。


棚卸のポイントと注意点

【棚卸のポイント】

 ・適正な標準在庫量を決めておく。
 ・棚卸表と材料単価表を準備しておく。
 ・材料のストック場所は常に整理整頓を心がける。
 ・材料の配列の順序と棚卸表に記入する順序を一致させる(主  な材料については、棚卸表にあらかじめ印刷しておく)
 ・材料の梱包の単位を統一する。
 ・液体(ソース、スープ類)の計算方法を決めておく。

【棚卸し実施時の注意点】

 ・ストック場所(冷凍庫、冷蔵庫、倉庫ホールなど)によって分担する。
 ・棚卸表は、冷凍品、冷蔵品、缶詰など部門別、場所別に用意する。
 食材の品質チェックと正確な発注も、棚卸しの重要な目的です。特に、材料に生鮮品の多いお店の場合、在庫ロスが出やすくなります。材料の品質を落とさないためには、常に過剰な在庫量を持たないようにすることと、先入れ先出しの鉄則を守ること。この二点を励行するしかありません。納品時には、冷凍庫や冷蔵庫内のものをいったん外に出して、新しい材料を奥のほうから並べ、古い材料は手前に並べる。この手順を順守しない限り、ロスはどんどん拡大していきます。
 最後に、棚卸しは最低月に一回は行わなければならないですが、できれば毎週一回、生鮮品の多いお店は毎日実施する必要があります。








 
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